ビジネス英語 Bloomberg :
ブルームバーグ(英語 Bloomberg)の英語ニュースで話の冒頭で頻出するフレーズが2つある。
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1つは、”We are seeing,”
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もうひとつは、”Meanwhile,”
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かれこれ10数年以上は少なくとも最低毎週、多い時は毎日見ている。
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その間、この2つのフレーズがよく登場することは今も変わっていない。
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さて、その意味だが、意外と翻訳(和訳)が悩ましいのでここで取り上げておこうかと思う。
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順序が逆になって恐縮だが、
まず、Meanwhileは「一方、」という訳語で固まっているのでこちらはとくに問題ない。
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日常会話ではあまり使わないだろうがニュースでは日本でもよく登場する。
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Bloombergなどのニュース英語でも然りである。
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一方、個人的に少し悩ましいと思うのが”We are seeing,”というフレーズだ。
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意味は直訳すれば「私たちはみています」。
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中学英語で習った現在進行形の例文のような簡単な意味ではある。
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(例文)We are seeing that China is one of top GHG emitters.
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ただ、これを自然な日本語に翻訳するときはどうだろう。
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日本のニュースで「私たちはみています」なんて聞くだろうか。
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たまに国際ニュースなどで英語かぶれの(失礼)キャスターの方が「私たちはみています。中国は温暖化ガス排出国上位のひとつである、と。」なんて具合に英語の語順で日本語をいうことがあるかもしれない。
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意味は分かる。
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「おっなんかカッコイイ」と多少演出的な効果はあるかもしれない。
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ただ、「わたしたちはみています、(カクカクしかじか)」とばかりいってるキャスターがいたら視聴者は「どうしたの、この人」と少々心配になってしまうだろう。
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(※個人の感想です。もちろんあくまで「ことばの使い方」をご説明するうえでの誇張した例なのでどなたか特定の人を揶揄しているわけではないことをお含みおきください。)
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We are seeingを自然な日本語に訳すと?
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逐語訳(直訳)は上でふれたとおり、「私たちはみています」。
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これを自然な会話にすれば「~とみています」「~とみてます」とはなるだろう。
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ニュースの冒頭で使われる日本語
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このフレーズの文脈にそった翻訳(和訳)をするなら。
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上述のとおりあまりニュースや日本語文化になじまない。
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「私たちはこう見ている」的な和訳はそぐわないのではないだろうか。
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日本のニュースでアナウンサーがよく使うフレーズは?
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冒頭でなく文末になる
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「とみられています」「とされています」「とのことです」
あたりだろう。
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ちなみに日本のニュースの冒頭部分は、ほぼほぼ「~によれば、」というのが定番。
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ニュースソースすなわち出典や話の出所を明らかにすることが報道やジャーナルの基本であるためだろう。
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ただ、「~によれば」の英語は、”According to,”または例えば以下の例文のように「●●さんがいうところによれば」とか「○○さんがいうには」という意味で”●● says …”という表現が使われる。
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(例)PM says this election was severe competition.
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(意味)総理がいうところによれば、この選挙は厳しい争いだった。
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(総理の発言によれば、この選挙は厳しい争いだったとのことです。)
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このように、ニュースの冒頭で使われることばを考えた場合、日本語の文脈にそった表現と英語の文脈ではフレーズが異なる。
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だけでなく、その背景にある文化や考え方の習慣もことなっていることがみてとれる。
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つまり、その辺(のちょいと面倒な話)を考慮すると、
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“We are seeing”という一見やさしい中学英語のフレーズの自然な和訳は「~とみられます」という意訳にしておくのが無難か、と思った次第である。
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以上、海外で日々Bloombergをチェックされてるビジネスパーソンには基本フレーズすぎて何を今さらという感じかもしれないが。
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ネットでググった限りではあまりこの話題にふれた記事がみつけられなかったので書き留めておいた。
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なお、もしビジネス英語を学習中の初心者の方がご覧いただいた場合は、こういろいろと書いてはしまったがこの”We are seeing,”というフレーズはものすごく役に立つフレーズなので覚えて使うことをおすすめする。
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(自戒をこめての話だが、とかく日本人が英語を話すときは、最初の冒頭に「えー(Ah, Uh…)」と始める悪癖が多すぎる。
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筆者の主観だがこの約10年間でブルームバーグに登場した日本人の約8割がこうだ。
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10年以上前は約9割いや95%ぐらいだった。
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そこからするとややカイゼンの兆しもあるのかも…いや気休めいっても始まらない。みっともないから早く日本全体で治しましょう。)
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これは英語能力の高低には関係ない。
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「あーうー」の代わりに話し初めのとっさのフレーズをみにつけておく。
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つまり、職場の挨拶習慣のようなもの。
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もしくは、関西弁でいえば「もうかりまっか」「ぼちぼちでんな」みたいな口ぐせ。
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(×)Ah.., Uh..
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(○)We are seeing, Meanwhile
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とりあえずこの2つのフレーズを使っていれば、ブルームバーグに登場する世界のビジネスパーソンとそん色ない英語での話の切り出しはできる。
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あとは、だらだら文学的な難しい英語なんぞ使わずに、ピシッと数字や統計データを英語でいえればほぼ満点。
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たいてい欧米人も話が長くなると論旨が不明になってキャスターも困惑している(けどゲストだから無下に切れない)なんて日本でもよくあるシチュエーションも多いので、むしろ英語は上手過ぎずにピシッと中学英語の単文だけで1文、1文区切ってピシッと紋切り型で発言したほうが、個人的には好感が持てると思う。
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ここに書いたような話の切り出し方や発音さえカイゼンすれば幕末から明治のサムライ英語でよいと思う。
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単に意識と使えるフレーズを1つ2つ持っておくかどうかの違いである。このあーうー
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(ちなみにカタカナ発音自体は悪くない。単にカタカナ自体のズレ。
例:コンセント→
(×)アウトレット
(○)アウレッ(ト)
最近はコンセントは英語でアウトレットまでは知ってるつもりの方は多いでしょう。
ただこれでもまだ通じない。
アウレッってカタカナでいえばばっちりメリカで通じるんです。私はIPAなんかもしっかりやったつもりですがとっさのときにはIPAの発音記号思い出すより「正しい発音のカタカナ英語」を思い出した方が実践的なので「はじめから中学英語でアウレッと教えてもらえば」とシアトルのトレーダージョーで買い物した時によく思ったものです。
もうつまりはじめからあれは「アウレッ」と覚えればよいだけの話。意外と明治の人の発音はネイティブに近かったりするかも。その辺はまたの機会に。だから品格問われるからダジャレオチ止めろって…アーレー(;’∀’)