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お彼岸めも 彼岸の暦(こよみ)作法 由来 など

お彼岸 能仁寺 生活
生活

お彼岸:令和元年/平成31年(2019年)

平成31年(2019年)のお彼岸:
春のお彼岸
彼岸入り3月18日月曜日
彼岸中日3月21日春分の日
彼岸明け3月24日日曜日
秋のお彼岸
彼岸入り9月20日金曜日
彼岸中日9月23日秋分の日
彼岸明け9月26日木曜日

お彼岸の暦、お彼岸にすること。お彼岸とは、お彼岸の由来、お彼岸とお盆の違いなど、お彼岸のことをまとめています。

(内容)

お彼岸の暦:彼岸 いつ

お彼岸にすること:彼岸 墓参り 彼岸お供え

お彼岸とは:彼岸とは何、彼岸の意味

お彼岸の由来:彼岸 由来

お彼岸とお盆の違い:お彼岸 お盆

まとめ


お彼岸の暦 お彼岸はいつ?

お彼岸 能仁寺 栃木県真岡市根本

お彼岸はいつ?

お彼岸は、毎年3月と9月。春分・秋分の頃。

春分・秋分を中日とした前後各3日をふくむ各7日間(年計14日間)。

毎年の春分の日と秋分の日が定まることにより、毎年のお彼岸の期間彼岸がいつになるか決まります。


春分の日と秋分の日

春分の日と秋分の日は、国民の祝日に関する法律にもとづき、国立天文台が発行する「国民の祝日に関する官報」(毎年2月頃)で公表されています。

国民の祝日に関する法律では「春分日」、「秋分日」

「春分の日」及び「秋分の日」について
祝日のうち、「春分の日」及び「秋分の日」は、法律で具体的に月日が明記されずに、それぞれ「春分日」、「秋分日」と定められています。

(出典)内閣府ホームページ

国民の祝日について - 内閣府
内閣府 国民の祝日について。国民の祝日に関する法律や政令、年間の国民の祝日の一覧など。

また、毎年2月に翌年の日程も定められます。

「春分の日」及び「秋分の日」については、国立天文台が、毎年2月に翌年の「春分の日」、「秋分の日」を官報で公表しています。

(出典)内閣府ホームページ(url同上)より(※太赤字は筆者)

2019年 今年のお彼岸

2019年:彼岸 (日本)

春のお彼岸 2019年

彼岸入り3月18日月曜日
彼岸中日3月21日春分の日
彼岸明け3月24日日曜日

秋のお彼岸 2019年

彼岸入り9月20日金曜日
彼岸中日9月23日秋分の日
彼岸明け9月26日木曜日

去年のお彼岸 2018年

参考までに昨年の彼岸日も載せておきます。

2018年:彼岸 (日本)

春のお彼岸

彼岸入り3月18日日曜日
彼岸中日3月21日春分の日
彼岸明け3月24日土曜日

秋のお彼岸
彼岸入り9月20日木曜日
彼岸中日9月23日秋分の日
彼岸明け9月26日水曜日

(出典)平成31年(2019) 暦要項より筆者作成

彼岸の日はどう決める?

彼岸の日と彼岸の期間は以下のとおり。

彼岸の期間:

123(前3日間)+4(中日※)+567(後3日間)

※彼岸の中日は春分の日・秋分の日のこと。


では、春分の日・秋分の日はいつどのようにして決まるのでしょうか。

祝日としての春分の日・秋分の日は、前年の2月1日に、春分の日・秋分の日の日付が書かれた「暦要項(れきようこう)」が官報に掲載されることによって、正式決定となります。

(出典)国立天文台ホームページ「よくある質問」(質問3-1)、
*ttps://www.nao.ac.jp/faq/a0301.html

https://www.nao.ac.jp/faq/a0301.html

つまり、各年の春分日と秋分日の日付を決めるときには、国立天文台暦計算室が作成する「歴象年表」※から天文学的に割り出しているといえます。

暦象年表(れきしょうねんぴょう)とは

国民の祝日、日曜表、二十四節気および雑節、太陽・月・惑星の視位置、朔弦望、各地の日の出入り、日食および月食、惑星現象などのさまざまな情報を掲載した冊子

(出典)国立天文台暦計算室
*ttps://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/cande/

暦象年表 - 国立天文台暦計算室

お彼岸の気候 言い伝え

「暑さ寒さも彼岸まで」という言いまわし(慣用句)があります。

これは、残暑や残寒は彼岸の頃まで続き、彼岸をすぎると和らぐ、という言い伝えです。

お彼岸の天気 秋の彼岸の頃は台風に注意

気象予報士の杉江勇次氏によれば、「秋の彼岸の頃は年間を通して最も台風が活動をしている時期でもあり、なかにはこの一週間の内に複数の台風が発生していることも珍しくありません。」とのこと。また、秋の彼岸を過ぎても、台風シーズンは10月末頃まで続くことがあるともいわれ、とくに秋の彼岸の頃は台風に注意が必要です。

(出典)秋の彼岸中に台風がなければ44年ぶり。杉江勇次 | 気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
2017/9/23(土) 18:18
https://news.yahoo.co.jp/byline/sugieyuji/20170923-00076105/

お彼岸の作法 お彼岸にすること

彼岸は、もともと仏教の行事、すなわち仏事(ぶつじ)のひとつです。

彼岸の期間に行う仏事を彼岸会(ひがんえ)と呼んでいます。

彼岸に行う主な行事や風習をまとめておきます。

お彼岸 墓参り

お彼岸では、一般的には中日の前後にお墓まいりに行きます。

ただ、お盆(ぼん)の時のようなとくに決まった行事や飾(かざ)りつけはないといわれています。(※諸説あり)

(※ご宗派によって異なるかとも存じますので、ご確認ください。)

お墓まいりにすること:

お墓のそうじ

墓石(ぼせき)を洗(あら)い、雑草(ざっそう)をぬくなどしてお墓のまわりをきれいにし、お花やお線香(せんこう)をお供えします。

御先祖様への感謝と御話し

ご準備が整い、お参りする方々のお気持ちも済んだところで、彼岸(ひがん)まで来られたあの世のご先祖さまにお参りをします。

生まれてきたことへの感謝などを念じながら、手を合わせて拝むとよいとされています。

またこのときは、この世(此岸、しがん)にいる皆さんのこの世の出来事(できごと)などもたくさん御話しなさるのもよいとされています。

きっと、あの世(彼岸、ひがん)の御先祖様方もお喜びになるのではないでしょうか。

お墓は、ご先祖さまが眠(ねむ)るとても大事な場所(ばしょ)です。

盆や彼岸には、ご家族みんなでお墓まいりに行き、大切に守っていきたいものですね。

彼岸お供え

お彼岸の風習としては、供物(くもつ)を捧げることが一般的です。供え物(そなえもの)、お供え(おそなえ)とも言われます。

代表的な供え物としては、「ぼたもち」や「おはぎ」がよく知られています。起源としては、江戸時代にお彼岸や四十九日の忌明けに食べる風習が根付いたともいわれています。

ぼたもち(牡丹餅)、おはぎ(御萩)は、ともに、お米と小豆、砂糖でつくるお菓子です。ここでは小豆についてふれておきます。

小豆(あずき)

あんこに使われる“あずき”は、鬼が苦手と言われています。古くから悪いものを追いはらう効果があるとされてきました。

この時期にあずきを使った食べ物を食べることは、御先祖への供養や家の繁栄、自然への感謝など、先人の願いや祈りとも結びついていると言われます。

ぼたもち(牡丹餅)

春の彼岸の頃に咲く牡丹(春)に由来します。

牡丹(ぼたん)の花は、大きな花なので牡丹餅(ぼたもち)は大きめ。

春は、種をまき、食物の成長を願う季節。

おはぎ(御萩)

秋の彼岸の頃に咲く萩(秋)に由来します。

萩(はぎ)は小さな花なので「お萩(はぎ)」は小ぶり。

秋は、食物の収穫の季節。

「ぼたもち」と「おはぎ」の違い

「ぼたもち」と「おはぎ」は、食材は同じ食べ物ですが、食べる季節が違うこと、季節に咲く花の違い、農耕期などの此岸(しがん)のことなどから、呼びわけるようになったのではないでしょうか。

昔の人々は、自然を暮(く)らしの中に上手にとりいれていました。

季節の花になぞらえ、菓子の呼び名やかたちを季節ごとに特徴づける。

これも先人の分別の知恵でありましょう。

春の彼岸と秋の彼岸の違い

さて、春分の日と秋分の日前後に行われるお彼岸の行事は、どちらも先祖を供養し、お墓参りをするなどといったこと自体には大きく異なる明確な違いはありません。

強いて言えば、ここでふれたお供え物の違い。

ぼたもちとおはぎ、こうした和菓子の名前にも、大事な風習とかさねて、子供たちへ伝統を伝える工夫として、昔の人の分別が練り込まれているようです。

こうした風習は、なるべくその本来の意味を知り、先人の思いをできるだけ正しく伝承していきたいものですね。

お彼岸の由来:お彼岸とは

さて、そもそもお彼岸とはなんでしょう。

簡単にいうと、暦と仏事という2つの面があります。

彼岸とは何?

暦としては、彼岸は、雑節(ざっせつ)の一つとも言われます。

雑節(ざっせつ)とは、二十四節気・五節句などの暦日のほかに、季節の移り変りをより適確に掴むために設けられた、特別な暦日のことです。

その他、暦に関する日常生活に必要なことについては、上で記載しましたので、そちらをご覧ください。


以下では、仏事の面についてふれておきます。

お彼岸の意味:

日本での彼岸の風習

彼岸の意味について、まず現在に続く日本での風習についてふれておきます。

現代の私たちが普段使っている「お彼岸」という風習は、彼岸の期間にお寺で行われる「彼岸会(ひがんえ)」と呼ばれる法要や、墓参りや先祖供養の行事として捉えられています。

こうした「お彼岸にお墓参り」という文化は、仏教国のなかでも、日本独特の風習と言われています。

元来の仏事に加え、先祖崇拝や、自然への敬意といった日本人の心性がはぐくんだ風習といえそうです。

お彼岸の中日である春分の日の意味が「自然をたたえ、生物をいつくしむ」、秋分の日が「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」という意味をもち、ことも影響するともいわれます。

(仏事として)

仏教では、彼岸の時期に真西へ沈む太陽すなわち「夕陽」の向こう側にあるとされる此岸や浄土におられる先祖を偲び、夕陽に拝みつつ供養する仏事です。

日本では、お彼岸に、宗派は問わず各寺院で「彼岸会」の法要が行われます。彼岸会は、平安時代の中頃に始まったとされ、また、仏教の宗派のひとつである浄土教(浄土思想)の影響があるとのいわれがあります。

浄土教では、極楽浄土ははるか西のかなたにあると考えられ、そのため、太陽が沈む真西に向かって拝むのだそうです。お彼岸が春分の日と秋分の日を中日として行われる理由も、春分日や秋分日が太陽が真東からのぼり真西に沈む日であることが関係しているとも。

やがて次第に、春分の日と秋分の日にご先祖様の供養の法要を行えば、修行や善行にもなるという思想も生まれ、お墓参りなどの行事が定着していった、といわれています。

お彼岸の由来:

彼岸の語源

彼岸という言葉は、サンスクリット語の「パーラミター」の漢訳「到彼岸」に由来するといわれています。

仏教の用語では「現世である此岸(しがん)を離れ修行を積むことで煩悩を脱し、悟りの境地に達した彼岸(ひがん)に到達する」という意味があります。

お彼岸とお盆の違い:

お彼岸 お盆

お彼岸もお盆も、お墓参り、供養という点では同じ日本古来の行事です。時期の違いはご存知かと思いますが、もとの意味合いにも違いがあるそうです。

以下、簡単にふれておきます。

お彼岸は、ご先祖様に近づくことができる時期。

此岸(この世)と仏様の住む世界である彼岸(あの世)が最も近くなる日と考えられていて、故人との思いが通じやすくなる日であると言われています。

お盆は、ご先祖様をお迎えしてまた送り出す時期。

由来は盂蘭盆会、言い伝えや宗派による解釈の違いもあるそうですが、基本的には、ご先祖様があの世から帰ってくると言われています。

お盆の行事としては、あの世から帰ってくるご先祖様を、迎え火を焚いてお迎えして、供養した後に送り火を焚いてまたあの世へ送り出すのが一般的。地域によっては、送り火として、灯篭流しを行うところもあります。

まとめ

いかがだったでしょうか。

お彼岸の暦では、彼岸がいつ行われるか、国立天文台などの資料から確認いたしました。

また、お彼岸にすること、お彼岸とは何か、お彼岸の意味や由来、そして、お彼岸とお盆の違いについては、お寺など仏教関係を参考としてまとめました。

いずれにせよ、忙しい現代社会ではありますが、機会があれば、日本の伝統習慣を知っておきたいところですね。


(あとがき)私事

今日はお彼岸の日。私事ながら、私自身は供養を済ませましたが、遠方の兄妹から今年の彼岸には家族の墓参りに出られないと電話がありました。しかし、彼女が電話口で申すには、こうした機会に家族と話をするだけでも、御先祖のことを考え、翻って、自分自身も少しほっとして安心するとのこと。

私見ですが、義務感で墓参りをするしないを気にするより、このお彼岸の機会に、御先祖供養について気に留めて、心の中ででもお祈りを捧げることが肝要かと存じます。(本来は、墓参りは随時。また、仏事としては、あえて言えば言えば、盆が優先。)

世界に目を転ずれば、小豆自体手に入りにくい海外でこの時期をお迎えの方もおられるかと存じます。

どこにあれ、時期がくれば、日本の暦を意識され、日本の文化習慣を顧みることで、日本人としての心の安らぎにつながるのではないでしょうか。

拙筆ながら、何かご参考になれば幸いです。

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